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口腔アレルギー症候群

 

口腔アレルギー症候群はどんな病気?

口腔アレルギー症候群は、花粉症を患っている方が特定の果物や野菜などを食べた後に、口の中やのどの粘膜にアレルギー反応を引き起こす病気です。
花粉症の方が増えてきたのに伴い、口腔アレルギー症候群も増加傾向にあります。
ハンノキ、シラカバ花粉症の方の罹患率が最も高く約40%で、スギ花粉症の方は約10%といわれています。

 

口腔アレルギー症候群の症状

特定の果物や野菜などを食べた直後から約1時間以内(多くの場合は15分以内)に、食べ物が直接ふれた口唇や舌、のどの奥にかゆみ、腫れ、ヒリヒリ感などが出てきます。まれに鼻や眼に花粉症様症状が出たり、じんま疹、腹痛や吐き気・下痢、喘息発作などが出たり、最悪の場合には重篤なアレルギー症状(アナフィラキシー)を起こすこともあります。

 

口腔アレルギー症候群の原因

特定の果物や野菜などの食物が、直接口の中の粘膜に触れることでアレルギー反応が起こるといわれています。
特に生の野菜や果物が原因となります。こうした食物中のアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)と、花粉中のアレルゲンとが似ているため、花粉症の方で症状がみられることが多いと考えられています。代表的な原因食物はバラ科の果物(リンゴ、モモ、イチゴ)、ウリ科の植物(メロン、スイカ、キュウリ)、キウイ、バナナ、ジャガイモ、トマトなどです。
カバノキ科ハンノキ属の樹木であるオオバヤシャブシは、かつて六甲山麓に大量に植樹され、3月~4月にかけての関西地方で花粉を多くとばしています(花粉症を発症するとスギなどよりも重症化しやすいといわれています)。リンゴやモモなどをはじめとした食物で口腔アレルギー症候群を起こす方が多くみられます。

主な原因花粉 飛散時期 口腔アレルギー症候群を引き起こす食物
カバノキ科
ハンノキ
1〜5月 リンゴ、モモ、ナシ、ビワ、サクランボ、イチゴ、ウメ、アーモンド、キウイ、セロリ、ニンジン、ジャガイモ、トマト、クルミ、ピーナッツ、ココナッツ
カバノキ科
オオバヤシャブシ
3〜4月
ヒノキ科
スギ
ヒノキ
2〜5月 トマト
イネ科
カモガヤ
オオアワガエリ
4〜10月 メロン、スイカ、トマト、ジャガイモ、セロリ、バナナ、オレンジ
キク科
ヨモギ
8〜10月 セロリ、ニンジン、キウイ、ピーナッツ
キク科
ブタクサ
8〜10月 メロン、スイカ、キュウリ、バナナ

 

口腔アレルギー症候群の検査と診断

花粉症と診断されている人が、該当する果物や野菜を摂取したのちに、上述のような症状が認められれば、臨床的に口腔アレルギー症候群と診断されます。さらに、血液中の免疫グロブリンE(IgE)抗体や皮膚反応などでアレルゲンを検証します。検査で陽性が認められれば確定診断にはなりますが、血液検査では必ずしも陽性の結果が出ない場合も認めます。

 

口腔アレルギー症候群の治療方法

現在、口腔アレルギー症候群を根治させる治療法はまだありません。
重篤な症状が出現することもあり、最も重要なことは、原因食物の摂取を控えることです。しかし、加熱により経口摂取が可能になることが多く、缶詰などの加工食品も摂取可能なことが多いです。

症状が出現すれば、その症状に応じた治療を行います。蕁麻疹などには抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を使用します。蕁麻疹以外にも喘息発作出現時やショックになった場合には、救急搬送しての治療を要します。

 

口腔アレルギー症候群の日常生活における注意点

症状が軽いケースが多いですが、時に重篤な症状に陥る場合があります。
果物や野菜を食べて、口やのどに違和感を認める場合にはアレルギー検査を受けるようにしましょう。自分が何の花粉症なのか、どの食物に反応するのかを検査して把握しておきましょう。原因と判明した食物を生で摂取するのは控えましょう。加熱・加工したものでも症状が出現する場合には、その後は絶対に食べないようにしましょう。
口腔アレルギー症候群であっても、一覧表のすべてを控える必要はありません。症状の出現した食物を避けるようにしましょう。