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院長ブログ

神戸市東灘区・御影で三代続く専門医が語る|睡眠と血圧の意外な関係

診察室でよく聞く「本当の気持ち」

新年度が始まり、お手元に「健康診断の結果」が届いた方も多いのではないでしょうか。

  • 「血圧が高いと言われたけれど、どこも痛くないし……」
  • 「一度お薬を飲み始めたら、一生やめられないんでしょ?」
  • 「薬は出来るだけ飲みたくない」

神戸市東灘区・阪神御影駅の近くで70年以上診療を続けている当院の診察室では、このようなお声を本当によく耳にします。

健康診断で「高血圧」という判定が出ても、自覚症状がまったくない方は多いものです。頭が痛いわけでも、フラフラするわけでもない。そんな状態で、これから毎日お薬を飲む生活を受け入れるのは、とても勇気がいることですよね。

「お薬に頼りたくない」というお気持ちは、ご自身の体を大切に想っているからこその、とても自然で健康的な反応だと私たちは考えています。今日は、そんな皆さまの不安に寄り添いながら、総合内科と呼吸器の2つの専門医の視点から、「高血圧との向き合い方」についてお話しさせていただきます。

「お薬は一生やめられない」という誤解

多くの方が一番心配されているのは、「一度飲み始めたら、一生お薬に縛られてしまうのではないか」ということではないでしょうか。

結論:お薬をやめられる可能性は十分にあります

高血圧の原因は、人それぞれです。塩分の取りすぎ、運動不足、ストレス、そして後ほど詳しくお話しする「睡眠不足(無呼吸)」など、さまざまな要因が絡み合っています。

お薬は、足が弱っている時に転ばないよう支えてくれる「杖」のようなものです。お薬で血圧を安定させている間に、生活習慣を改善したり、隠れていた原因を治療したりすることで、杖(お薬)が必要なくなる方もたくさんいらっしゃいます。

私たちが目指すのは、「健康な状態を長く続けること」です。お薬を出すことだけではありません。皆さまの血管を守り、最終的にお薬を減らしたり、卒業したりできる状態へ一緒に歩んでいくことです。

自覚症状がないからこそ怖い「サイレントキラー」

高血圧が「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」と呼ばれるのには理由があります。それは、痛みも何もないまま、10年、20年という長い歳月をかけて、全身の血管をボロボロにしていくからです。

血管は「家の中の水道管」と同じです

血管の分かりやすいイメージ

古くなったお家の水道管を想像してみてください。毎日高い圧力がかかり続けると、管の内側が傷つき、錆びたり、詰まりやすくなったりしますよね。ある日突然、水道管が破裂して水浸しになるまで、私たちはその傷みに気づけません。体の中でも同じことが起こっています。

  • 脳の血管が傷つくと:脳梗塞や脳出血の原因になります。
  • 心臓の血管が傷つくと:心筋梗塞や心不全を引き起こします。
  • 腎臓の血管が傷つくと:老廃物をろ過できなくなり、最悪の場合は透析が必要になります。

「今は何ともない」という状態は、実は「体が必死に耐えてくれている状態」なのです。私たちが受診をお勧めするのは、今のあなたに薬を飲んでもらう為ではなく、10年後も20年後も、変わらず元気に住み慣れたお家で生活をしていただくようにするためなのです。

専門医が伝えたい「高血圧と睡眠」の深い関係

ここからは、当院のもう一つの専門である「呼吸器内科」の視点から、非常に大切なお話をします。「血圧が高い」と言われて当院を受診された患者さまを診察していると、実は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が隠れていた、というケースが非常に多くあります。

高血圧の方のうち、どのくらいの方が「無呼吸」なのか?

一般的に、高血圧患者さんの約30%〜40%に睡眠時無呼吸症候群が合併していると言われています。さらに、お薬を3種類以上飲んでもなかなか血圧が下がらない「治療抵抗性高血圧」の方に限れば、なんと約60%〜80%の方に無呼吸が隠れているというデータもあります。これは決して珍しいことではありません。

なぜ「無呼吸」だと血圧が上がるのか?

寝ている間に舌が喉の方に落ち込んでいくと気道(空気の通り道)がふさがり無呼吸になってしまいます。呼吸が止まると、体の中の酸素が足りなくなります。すると体は「苦しい!酸素を運ばなきゃ!」とパニックになり、寝ている間も交感神経がフル稼働して、心臓をバクバクさせ、血圧を急上昇させます。

本来、睡眠は体を休ませる時間なのですが、無呼吸を起こしている方は「寝ている間もずっと全力疾走している」ような状態なのです。

もし、高血圧の原因が無呼吸にあるならば、いくら血圧のお薬だけを飲んでも、根本的な解決にはなりません。逆に言えば、無呼吸の治療をすることで、血圧が劇的に下がり、結果として血圧のお薬を減らせる可能性がぐっと高まるのです。

睡眠が変わることで、血圧まで穏やかになった患者さんのお話

実際に、当院を受診されたある患者さんのエピソードをご紹介します。

この方は、健康診断で血圧の高さを指摘されて当院に来られました。自覚症状は特になかったものの、詳しくお話を伺うと「そういえば、夜中に何度も目が覚めてトイレに行く」「朝起きたときに頭が重い気がする」とのことでした。

そこで、ご自宅でできる簡単な睡眠の検査を行っていただいたところ、重い「睡眠時無呼吸症候群」があることが判明したのです。

すぐに寝ている間の呼吸を助ける「CPAP(シーパップ)療法」を開始されました。すると、治療を始めてから間もなく、驚くような変化が現れたのです。
「先生、夜中に全く目が覚めなくなって、朝までぐっすり眠れるようになったよ! 朝起きた時の頭のスッキリ感が、若い頃に戻ったみたいだ」
そう嬉しそうに診察室でお話ししてくださいました。

さらに嬉しかったのは、睡眠が整うにつれて、あれほど高かった血圧がみるみる落ち着いてきたことです。今では、血圧のお薬の量を減らすことができ、最終的な「お薬からの卒業」を目指して、元気に通院を続けておられます。

この患者さんも、最初は「血圧の薬を飲みたくないな」と悩まれて受診をためらっていたお一人でした。高血圧の裏に隠れた本当の原因を見つけ、正しくアプローチすれば、体はこんなにも応えてくれるのです。

深い睡眠のイメージ

谷尻医院が大切にする「皆さんに寄り添う」診療

  • 「病院に行くと、あれこれダメだと言われそう」
  • 「どうせ薬を出されるだけでしょ」

そんな風に思って、受診をためらっていませんか?

当院は三代にわたり、この街で診療を続けてきました。私たちが大切にしているのは、医学的な正しさを押し付けることではなく、「あなたの生活の中で、何ならできるか」を一緒に考えることです。

  1. 01

    お薬を飲みたくないお気持ち、まずはしっかり伺います。

  2. 02

    なぜ血圧が高いのか、無呼吸などの隠れた原因がないか、2名の専門医が多角的に調べます。

  3. 03

    その上で、お薬以外の選択肢(食事の工夫、眠りの質の改善など)も提示します。

私たちは、単に数値を下げることだけを目的にしているのではありません。あなたが毎日を健やかに、笑顔で過ごすための「パートナー」でありたい。そう願っています。

まとめ:最初の一歩を、一緒に踏み出してみませんか?

長年放置してしまったことを、後悔する必要はありません。「今、気づけたこと」が何よりのチャンスです。自覚症状がない今こそ、未来の自分への投資を始める最高のタイミングです。

  • 「健診で血圧が高いと言われた」
  • 「数値が少し気になるけれど、どこに相談すればいいかわからない」
  • 「お薬を飲み始めるのが不安」
  • 「いびきを家族に指摘されるけれど、関係あるの?」

そんなきっかけで構いません。阪神御影駅近くの当院へ、どうぞ気軽にお立ち寄りください。70年以上の歴史に裏打ちされた安心感と、2名の専門医による最新の知識。そして何より、患者さまお一人おひとりに寄り添う「温かさ」をもって、お待ちしております。

谷尻医院(呼吸器内科・総合内科)

住所
兵庫県神戸市東灘区御影本町4-10-6(阪神御影駅から徒歩1分)
電話
078-851-3439
専門医
総合内科専門医・呼吸器専門医・アレルギー専門医(2名の医師がこれらの資格を併せ持ち、多角的な視点で診療を行っております)
対応
高血圧・生活習慣病の診断・治療、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療