【連載:高血圧と向き合う 第5回】薬に頼らず下げたい!自分でできる生活習慣改善の6つのポイント - 【阪神御影駅徒歩1分】神戸市東灘区の呼吸器内科・内科|谷尻医院

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【連載:高血圧と向き合う 第5回】薬に頼らず下げたい!自分でできる生活習慣改善の6つのポイント

【連載:高血圧と向き合う 第5回】薬に頼らず下げたい!自分でできる生活習慣改善の6つのポイント

こんにちは。神戸市東灘区、阪神御影駅から歩いて1分の場所にあります「谷尻医院」です。当院は昭和23年にここ御影の地で開院して以来、3代にわたり70年以上の長きにわたって、地域の皆さまの健康をすぐそばで見守り続けてまいりました。

現在は、「総合内科専門医」と「呼吸器専門医」というふたつの専門資格を併せ持つ医師が2名在籍しております。私、院長の谷尻力(総合内科専門医・呼吸器専門医・アレルギー専門医)をはじめ、医師やスタッフ全員が、患者さまのお気持ちに寄り添った優しく丁寧な診療を心がけています。風邪やアレルギーといった身近なお悩みから、高血圧などの生活習慣病、そして専門的な呼吸器疾患まで、お体全体の健康を総合的にサポートできるのが当院の特徴です。

前回の第4回では、脳と体を守るための目標値「130/80 mmHg未満」についてお話ししました。少し厳しく感じられる目標値も、将来のあなたの健康を維持し、元気であり続けるための「守り神」のような存在であることをお伝えできたかと思います。

今回は、診察室で最も多くいただく「先生、お薬を飲む前に、まずは自分の努力でできるところまで下げてみたいんです」という前向きなご要望にお答えし、最新のガイドライン(高血圧管理・治療ガイドライン2025)に基づいた、自分ですぐに始められる6つの生活習慣改善ポイントを詳しく解説します。

1. 「減塩」は最強の降圧対策(目標:1日6g未満)

日本人の食生活は、お味噌汁や醤油、お漬物など、美味しい和食の文化がある一方で、どうしても食塩の摂取量が世界的に見ても高い水準になりやすい特徴があります。高血圧の管理において、まず何よりも最初に取り組みたい対策が「減塩」です。

高血圧と言われた方の目標値は、1日「6g未満」となっています。令和5年の国民健康・栄養調査によるデータを見てみると、現在の日本人の平均的な食塩摂取量は、男性10.7g/日、女性9.1g/日となっています。つまり、ここから毎日だいたい3~4gほど減らしていくイメージですね。「そんなの味気がなくて続けられない!」と思われるかもしれませんが、麺類の汁を最後まですすらないようにする、漬物や練り製品を少し控える、といった小さな意識の積み重ねだけで、血圧は確実に下がっていきます。

さらに最近は、スーパーなどで手軽に買える美味しい減塩調味料や減塩食品がたくさん登場しています。日本高血圧学会が正式に認定している「日本高血圧学会 減塩食品リスト」というものもあり、お塩を半分に減らしたお塩や、塩分をひかえたお出汁、カレーのルー、さらには美味しいお煎餅や明太子まで、驚くほど種類が豊富です。こうした便利な食品を上手に取り入れながら、無理なく美味しく「減塩ライフ」を楽しんでいきましょう。

【生活習慣改善 ポイント1】減塩(目標:1日6g未満)。キッチンで減塩醤油や減塩出汁を使って調理するシニア女性のイラスト

2. 「野菜・果物」を積極的に摂り、脂質に気をつける

何を食べるかという食事のバランスも、しなやかな血管を保つためにとても重要です。日本高血圧学会などが、私たちの健康のために強く推奨しているのが「The Japan Diet(ジャパン・ダイエット)」などの健康的な食事パターンです。

この食事法で大切にしたいのは、体に溜まった余分な塩分(ナトリウム)を外へ出してくれる「カリウム(K)」をたっぷり摂ることです。カリウムの摂取が増えると血圧が低下し、将来の脳心血管病の発症リスクや、死亡リスクそのものをしっかりと引き下げてくれることが分かっています。

減塩を心がけつつ、カリウムをしっかり補うための具体的な目安として、お野菜を1日「350g」、果物を1日「200g」食べることを意識してみましょう。さらに、低脂肪牛乳や乳製品を日々の食卓に取り入れたり、緑茶やコーヒーなどをうまく組み合わせたりするのが効果的な摂取方法です。その一方で、お肉の脂身に多く含まれる飽和脂肪酸やコレステロールは少し控えめにします。これらを組み合わせることで、自然と血管が若返り、血圧が下がりやすい体質へと変わっていきます。

ただし、ひとつだけ大切な注意点があります。腎機能が低下している方(慢性腎臓病:CKDなど)の場合は、カリウムを摂りすぎると体に負担がかかるため「カリウムの摂取制限」が必要な場合があります。ご自身の腎臓の状態が気になる方は、食事の内容を変える前に必ず主治医に相談してくださいね。

【生活習慣改善 ポイント2】お野菜と果物をたっぷり、脂質はひかえめに。カリウムが余分な塩分を排出するメカニズムと、健康的な食事を摂るシニア夫婦のイラスト

3. 適正体重の維持(BMI 25未満を目指す)

肥満、つまり体重が少し増えてしまうと、それだけで全身に血液を送り出すために交感神経が興奮したり、血圧を上げるホルモン(レニン)が活発に働いたりして、血圧がグッと上昇してしまいます。

そこで目安にしたいのが、体格指数であるBMIが「25未満」という適正体重の維持です。このBMIは「体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)」という計算で出すことができます。

「何キロも痩せるなんて無理だ」と身構える必要はありません。実は、体重が「1kg」減るだけでも、上の血圧が約1.1 mmHg下がると推定されています。現在の体重から、まずは「3%」減らすことを目標にしてみましょう。例えば体重70kgの方なら、約2kgの減量です。これだけでも、高血圧の改善にとっては非常に大きな、価値のある第一歩となります。

【生活習慣改善 ポイント3】適正体重の維持(BMI 25未満)。体重計に乗り適正体重を達成して喜ぶシニア男性のイラスト

4. 毎日30分、楽しく「有酸素運動」を

適度な運動は、硬くなった血管をじんわりと広げ、自律神経の乱れを整えて血圧を自然に下げてくれる素晴らしい効果を持っています。

おすすめの運動は、息が少し弾むくらいの速歩(ウォーキング)、ジョギング、水泳などの「有酸素運動」です。これに、お家での軽いスクワットなどの筋トレ(レジスタンス運動)を組み合わせるのが理想的なメニューです。

運動の時間については、「毎日まとまった時間を取らなきゃ」と構えなくても大丈夫です。有酸素運動であれば毎日30分以上継続することが基本ですが、運動は1回につき「少なくとも10分以上」継続すれば小分けにしても同じように効果があります。体調が良い日には1日40分以上行っていただくのも良いですね。週全体としての合計時間として「150分〜300分」の実施を目指してみましょう。さらに、これからの健康寿命をしっかりと延ばしていくためには、1日「9000歩」を目標に歩くことがとても有効です。

※ただし、重い心臓病や腎臓病の持病をお持ちの方の場合は、運動を始める前に必ず主治医への確認が必要となりますので、診察室で一度ご相談くださいね。

【生活習慣改善 ポイント4】有酸素運動(毎日30分、9000歩)。ウォーキングや水泳など適度な運動を楽しむシニア世代のイラスト

5. お酒は「適量」を楽しむ(節酒)

お酒が大好きな方にとって、お付き合いの仕方はとても気になるところですよね。

実はお酒には少し面白い特徴があります。お酒を飲んだその瞬間(単回摂取)は、一時的に血管が広がるため、数時間ほどの血圧低下につながります。そのため「お酒を飲むと血圧が下がるから大丈夫」と誤解されやすいのですが、長期にわたって毎日たくさん摂取し続けてしまうと、血圧は上昇へと転じてしまいます。この習慣的な飲酒は、上の血圧(収縮期血圧)を大きく上昇させる強い関連があるだけでなく、血管が破れてしまう「出血性脳卒中」のリスクも、お酒を飲む量に伴って増加させてしまうことが分かっています。

ですが、安心してください。今からお酒の量を少し制限(節酒)してあげると、早ければわずか1〜2週間のうちに、上の血圧が3mmHgほど下がってくれます。 1日の適量の目安(純エタノール換算)として、男性は20〜30mL以下、女性は10〜20mL以下に抑えることが勧められます。具体的な量としては、男性ならビール中瓶1本、日本酒1合、焼酎半合、ウィスキーダブル1杯程度が、体と血管に優しい上限の目安となります。

【生活習慣改善 ポイント5】お酒は「適量」を楽しむ。適量(ビール中瓶1本程度)のお酒をたしなむシニア男性のイラスト

6. 「禁煙」は必須のミッション

最後に、血管の健康を語る上で絶対に外せないのが「タバコ」のお話です。

タバコに含まれるニコチンは、体を緊張させる副腎を刺激してアドレナリンを分泌させ、吸ったその瞬間から血圧を急上昇させます。さらに恐ろしいことに、喫煙は血圧を上げるだけでなく、血管の内側の壁(内皮)を傷つけ、動脈硬化を急激に進めてしまいます。

また、ご自身が吸う煙だけでなく、お隣で吸う煙を吸い込んでしまう「受動喫煙」も、同じように血管を傷つける原因になります。あなたご自身の大切な体はもちろん、すぐそばにいる大切なご家族の笑顔と健康を守るためにも、完全な「禁煙」が強く勧められます。

【生活習慣改善 ポイント6】完全な禁煙。タバコを捨てて完全な禁煙を達成し、家族から拍手されるシニア男性のイラスト

結びに:生活習慣の改善は、あなた自身の未来への「最高の投資」です

診察室で高血圧など生活習慣病のお話をすると、「お薬に頼らず、自分の力で頑張りたい」とおっしゃる方がたくさんおられます。お薬を飲むことを、まるで「負け」のように感じてしまうのかもしれませんね。

ですが、決してそんな風に思う必要はありません。今回ご紹介した6つのポイントは、決してお薬と敵対するものではなく、一緒に手を取り合う強力なパートナーです。これらを日々の暮らしの中に優しく取り入れることで、今飲んでいるお薬の量を減らすことができたり、中には将来的に本当にお薬を完全にやめられたりするケースも実際にたくさんあるのです。

何より、ここで手に入れた健康的な習慣は、高血圧だけでなく、将来のがんや認知症の予防にもつながる、あなた自身の将来の健康維持への「最高の投資」になります。

医師と患者が健康的な生活を目指す様子を描いたイラスト。

「減塩食品ってどこで買えるの?」「私の膝の状態で、9000歩も歩いて大丈夫かしら」と迷われたときは、いつでも御影駅前の当院へご相談ください。総合内科と呼吸器の専門医としての視点、かかりつけ医としての視点から、皆さまの毎日のライフスタイルやお好みに合わせて、決して無理のない、笑顔で続けられるプランを一緒に考えてまいります。

次回はいよいよこの連載の最終回、患者さまが一番不安に思われている「お薬との付き合い方:『一度飲み始めたら一生やめられない』の誤解」について、スッキリと安心できるお話をさせていただきます。どうぞお楽しみに。

執筆者情報

谷尻医院 院長:谷尻 力

(日本内科学会 総合内科専門医 / 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 / 日本アレルギー学会 アレルギー専門医

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谷尻医院(総合内科・生活習慣病外来・呼吸器内科)

住所
兵庫県神戸市東灘区御影本町4-10-6(阪神御影駅から徒歩1分)
電話
078-851-3439
専門資格
日本内科学会 総合内科専門医、日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本アレルギー学会 アレルギー専門医 在籍
対応診療
高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、長引く咳、喘息外来など

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