ブログ
熟睡感が無い正体は睡眠時無呼吸症候群かも|神戸市東灘区・御影の専門医が原因と治療法を解説
こんにちは。神戸市東灘区で70年以上にわたり、地域の皆さまの健康に寄り添い続けている谷尻医院です。
当院には、内科全般を広く深く診る「総合内科専門医」と、息苦しさや睡眠のトラブルを専門的に診る「呼吸器専門医」の、2つの専門資格をあわせ持つ医師が2名在籍しております。
さて、皆さまは日頃からこのようなお悩みを抱えていませんか?
- 毎日7〜8時間は寝ているはずなのに、朝起きた瞬間から体がだるい
- ぐっすり眠った気がしなくて、熟睡感(よく寝たという満足感)がまったくない
- 目覚まし時計が鳴っても頭がボーッとして、なかなか朝起きられない
- 日中、仕事中や運転中に、耐えられないほどの強い眠気に襲われる
「ただの疲れかな?」「歳のせいかしら…」と見過ごしてしまいがちなこれらの症状ですが、実は睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」という病気が隠れているサインかもしれません。
今回は、睡眠時無呼吸症候群がなぜ「熟睡感のなさ」や「朝起きられないこと」につながるのか、そしてなぜ早期に見つけることが大切なのかを分かりやすくお話しさせていただきます。
1. 睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気?

睡眠時無呼吸症候群(以下、SAS)は、その名の通り「睡眠中に」「何度も息が止まってしまう(無呼吸)」、あるいは「空気の流れがとても弱くなってしまう(低呼吸)」病気です。
医学的な基準では、「1時間の睡眠の間に、10秒以上息が止まる(または弱くなる)回数が5回以上ある場合」にこの病気と診断されます。重症の方になると、1時間に30回以上、つまり2分に1回以上のペースで息が止まっていることも珍しくありません。
息が止まる原因の多くは、睡眠中にのど(気道)の筋肉が緩み、空気の通り道が完全に塞がってしまうことにあります。のどが狭くなっているところを空気が無理に通ろうとするときに、周囲の粘膜が震えて出る音が「いびき」です。そのため、「激しいいびき」と「無呼吸」は、この病気の最も分かりやすいサインなのです。
2. なぜ「熟睡感がない」「朝起きられない」「体がだるい」の?
「ベッドに入っている時間は十分に長いのに、どうしてこんなに眠くてだるいのだろう?」。その答えは、脳と体が受けている「夜間のSOS」にあります。
① 脳が夜中に何度も「窒息の恐怖」で目覚めているから
のどが塞がって息ができなくなると、体の中の酸素がガクンと減ってしまいます。そうなると脳は「このままだと窒息してしまう!」と危険を察知し、息を再開させるために、眠っているあなたを無理やり起こします。これは本人がはっきりと目が覚めたと自覚できないほどの短い目覚ましであることが多いのですが、一晩に何十回、何百回も脳がたたき起こされるため、睡眠の質はボロボロになってしまいます。深い睡眠がまったく取れず、浅い睡眠ばかりを繰り返すため、どれだけ長く寝ても「熟睡感」が得られないのです。
② 朝、頭がリフレッシュできていないから
本来、睡眠は日中に使った脳と体を休め、修復するための大切な時間です。しかし、睡眠時無呼吸症候群の方は睡眠中、息が止まるたびに心臓がバクバクと激しく動き、血圧が上がり、脳が緊張状態に置かれています。例えるなら、「一晩中、軽いダッシュを繰り返しながら寝ている」状態です。これでは朝起きたときに疲労感が残っているのも当然ですし、脳の疲れが取れていないため、朝すっきりと起きることができなくなってしまいます。
③ 朝の頭痛の原因にも
夜間にじゅうぶんな換気(息の出し入れ)ができず、睡眠不足や睡眠の質が低下します。これが痛みの閾値(しきいち)を低下させるために、朝起きたときに頭がズキズキと重かったりすることがあります。
3. 睡眠時無呼吸症候群が全身に及ぼすリスク
睡眠時無呼吸症候群の治療をなぜ内科(特に呼吸器内科医、循環器内科医)が担うのでしょうか?実は、この病気は「ただ眠れないだけの病気」ではなく、「生活習慣病や心血管疾患や呼吸器疾患といった全身の重大な病気と深く結びついている」からです。
夜間に何度も呼吸が止まることで、体は強いストレスを受けます。これが引き金となり、以下のようなさまざまな内科の病気を引き起こしたり、悪化させたりすることが分かっています。
- 高血圧:呼吸が止まると体の中の酸素が足りなくなります。そのため、息が止まるたびに心臓がバクバクと激しく動き、血圧が上がります。
- 糖尿病:睡眠不足やストレスにより、血糖値を下げるインスリンの働きが悪くなり糖尿病が合併しやすくなります。
- 心臓の病気(心不全や不整脈):呼吸が止まることによる酸素不足が心臓に過度な負担をかけ、また、交感神経がフル稼働するため心不全のリスクを高めたり、不整脈(特に心房細動など)を誘発しやすいことが知られています。
- 脳卒中:血管が傷つきやすくなり、脳梗塞などのリスクが数倍に跳ね上がります。
- 気管支喘息:呼吸が止まることによる酸素不足が、空気の通り道である気管支を敏感にさせてしまい、気管支喘息悪化の一因となります。
「最近、血圧の薬を飲んでいるのに中々下がらないな…」「健康診断で急に血糖値やコレステロールを指摘されたけれど、原因に心当たりがない…」という方は、実はその根本に睡眠時無呼吸症候群が隠れているケースが非常に多いのです。当院では、単に睡眠のチェックをするだけでなく、お一人おひとりの血圧や血液検査の結果など、全身の健康状態と照らし合わせながら、総合的にアプローチしていきます。
4. 「総合内科医」「呼吸器専門医」の視点から
丁寧な診断と、あなたに寄り添うやさしい治療
睡眠中の呼吸の状態を正確に見極め、最適な治療法をご提案いたします。皆さまに寄り添い、負担の少ない方法から始めていきます。
-
01
まずはお話をお聞きします(問診)
普段の睡眠時間や日中の眠気の強さ、いびきの有無など、気になる症状を丁寧にお伺いします。「こんな小さなことで相談してもいいのかな…」と思わずに、どうぞお気兼ねなく何でもお話しください。
-
02
ご自宅での簡単な検査(簡易睡眠検査)
当院からお渡しする小さな専用の機械をご自宅にお持ち帰りいただき、寝るときに手の指や鼻の下にセンサーをつけるだけで、睡眠中の呼吸の乱れや酸素の低下を調べることができます。いつも通りのご自宅のベッドでリラックスして受けていただける検査です。結果によっては、自宅もしくは病院にて追加の精密検査を受けていただく場合がございます。
-
03
お一人おひとりに合わせたやさしい治療
検査の結果、治療が必要と診断された場合は、患者さまのライフスタイルや症状に合わせて、無理のない方法を一緒に考えていきます。
主な治療法
(持続陽圧呼吸療法)
最も効果的で広く行われている治療法です。寝るときに鼻にやさしいマスクを着用し、機械から適度な圧力をかけた空気を送り込むことで、のどの閉塞を防ぎ、空気の通り道をずっときれいに広げた状態に保ちます。
(口腔内装置)
睡眠中に下あごを少し前に出すような特製のマウスピースを歯科医院で作製してもらい、着用して寝ることで、のどのスペースを広げる方法です。
(減量や寝姿勢の工夫)
体重が増えてのどの周りに脂肪がつくと、気道が狭くなりやすくなります。また、仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込みやすくなるため、横向きで寝る工夫をするだけでも、症状が和らぐことがあります。当院では、無理のない範囲での生活習慣のアドバイスも丁寧に行っています。
5. 神戸市の皆さまへ
谷尻医院は、ここ神戸市東灘区の地で70年以上にわたって地域の皆さまの健康を見守り続けてまいりました。
朝起きられないことや、熟睡感がないことは、ご本人にとっては本当に辛いお悩みです。しかし、「たかが睡眠不足」と我慢してしまったり、どこに相談すればいいのか分からずに悩んでいる方がまだまだたくさんいらっしゃいます。
「もしかして私も…?」と少しでも頭をよぎったら、どうぞお気軽にお立ち寄り下さい。
あなたの「すっきり心地よい朝」を取り戻すお手伝いを全力でさせていただきます。あなたも睡眠中のSOSに耳を傾けてみませんか?
