肺炎球菌ワクチンの定期接種制度が変わりました|神戸市東灘区・御影の呼吸器専門医が解説
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【医師が解説】帯状疱疹ワクチンの定期接種:受けるべき? ワクチンの違いは?

こんにちは。阪神御影駅から徒歩1分の場所にあります、谷尻医院です。
2025年4月から予防接種法に基づき、帯状疱疹ワクチンの定期接種がスタートいたしました。神戸市では、2026年度(令和8年度)の対象となる方へは、6月25日頃に、案内と接種券が送付されています。
お手元に書類が届いたことをきっかけに、最近の診察室でも「自分は帯状疱疹ワクチンを打った方が良いのだろうか」「帯状疱疹のワクチンは2種類あると聞いたけれど、何が違うの?」といったご相談をいただく機会がとても増えました。毎年のように打つワクチンでもないですので、不安や疑問を感じられるのはとても自然なことです。
今回は、帯状疱疹という病気の具体的な症状やリスクをはじめ、ワクチンの効果や違い、副反応について専門医の視点からわかりやすく丁寧にお伝えいたします。
帯状疱疹という病気と注意すべき後遺症
帯状疱疹は、過去に水痘(水ぼうそう)にかかった際、体の中の神経節という場所に潜んでいたウイルスが原因で起こります。年齢を重ねたり、日々の疲労やストレスなどで体の免疫力が低下したりしたタイミングで、潜んでいたウイルスが再び動き出すことで発症します。
症状としては、ほとんどの場合、体の左右どちらか片側に、ピリピリとした神経の痛みとともに赤い斑点や水ぶくれが帯状に現れるのが特徴です。日本では80歳までに約3人に1人が発症すると言われており、特に50歳代から増え始めて70歳代でピークを迎えます。決して珍しい病気ではなく、どなたにも起こりうる身近な疾患です。
帯状疱疹で特に注意が必要なのは、皮膚の症状だけでなく重篤な合併症を引き起こすリスクがある点です。
最も知られているのが、皮膚の症状が治まった後も強い痛みが残る「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。50歳以上で発症した方の約10〜20%がこの後遺症に移行すると言われており、数ヶ月から時には数年にわたって刺すような痛みが続いてしまいます。この痛みが原因で夜眠れなくなったり、外出がおっくうになったりと、日常生活の質が大きく損なわれてしまうことが大きな問題となっています。
さらに、顔や頭の周り(頭頸部)に帯状疱疹が出た場合は特に注意が必要です。目の周りにウイルスが及ぶと「角膜炎」や「結膜炎」といった目の合併症を引き起こし、視力低下や最悪の場合は失明につながるおそれがあります。また、顔の神経や耳に症状が出ると「顔面神経麻痺」や「難聴」、「めまい」といった重大な障害が残ることもあります。このように、帯状疱疹は決して「単なる皮膚の病気」ではなく、生活のさまざまな機能に支障をきたす可能性のある疾患なのです。
2種類のワクチンの違いと特徴
現在、日本で定期接種として認められている帯状疱疹ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン(商品名:シングリックス)」の2種類があります。どちらのワクチンにも特徴があり、神戸市の定期接種ではご希望や体調に合わせてどちらか一方を選択していただく形になります。
主なワクチンの特徴
生ワクチン(1回接種)
従来から使われている生ワクチンは、皮下注射で1回接種するタイプです。接種回数が1回で済み、費用が比較的抑えられるという利点があります。発症予防効果は約50〜60%で、効果の持続期間は約5〜8年ほどとされています。なお、病気や治療の影響で免疫が低下している方は接種することができません。
不活化ワクチン(シングリックス)
2〜6ヶ月の間隔をあけて計2回、筋肉に注射するタイプです。こちらの大きな特徴は高い効果と持続性で、50歳以上の方で約97%という極めて高い予防効果が確認されています。また、年齢とともに効果が落ちやすいとされるご高齢の方(70歳以上)においても約90%と、引き続き高い予防効果が維持されます。効果も10年以上しっかりと維持されるほか、免疫が低下している方でも安心して接種していただけます。
70代以上の高齢者の方へおすすめしたい選択
当院で患者様から「どちらを選ぶべきか」とご相談を受けた際、特にご高齢の方や、より確実な予防をご希望される方には「不活化ワクチン(シングリックス)」をお勧めすることが多くございます。
シングリックスは発症そのものを防ぐ効果が高いだけでなく、最も辛い後遺症である帯状疱疹後神経痛の発生を約9割も抑えてくれることが証明されています。また、効果が10年以上と長く続くため、一度しっかりと接種を完了しておけば、長期間にわたって帯状疱疹への不安を和らげることができます。
ご負担いただく費用や接種回数には違いがございますが、将来的な痛みのリスクや生活への影響を未然に防ぐ観点からも、非常に頼もしい選択肢と言えます。
接種のスケジュールと副反応について
接種のスケジュールはワクチンによって異なります。生ワクチンの場合は1回の接種で完了しますが、シングリックスの場合は1回目の接種から2ヶ月の間隔を空けて2回目の接種を行います。やむを得ず予定がずれてしまった場合でも、最長6ヶ月後までに2回目を完了させれば問題ありません。
副反応については、どちらのワクチンも注射した部分の痛みや赤み、腫れなどが現れることがあります。特にシングリックスは、体内で強い免疫を作る仕組みになっているため、注射部位の強い痛みや、全身の倦怠感、頭痛、発熱などが数日程度現れることがございます。
こうした副反応の多くは、体の中でしっかりとお薬が働き、免疫が作られている証拠でもあります。通常は数日(平均3日程度)で自然に落ち着きますのでご安心ください。当院では接種前に問診を行い、お一人おひとりの体調を念入りに確認した上で安全に配慮して接種を進めてまいります。
2026年度の神戸市定期接種の対象者と受診のご案内
今年度(2026年度)、定期接種の対象となるのは、神戸市に住民票があり、以下の年齢に該当される市民の方々です。
- 今年度中に65歳になられる方(昭和36年4月2日〜昭和37年4月1日生まれの方)
- 経過措置として今年度中に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になられる節目の年齢を迎えられる方々
受診の際は、神戸市からご自宅に届いた白色(一般用)または水色(無料用)の接種券と、ご本人様確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、資格確認書など)を忘れずにご持参ください。
皆様の健やかな毎日を守るために
帯状疱疹は一度かかってしまうと心身ともに大きな負担となる病気ですが、現在はワクチンによって高い確率で防ぐことができる時代になりました。
「自分にはどちらのワクチンが合っているのか分からない」「持病があるけれど接種しても大丈夫か」など、少しでも気になることがございましたら、どうぞお気軽に診察時にお声がけください。
阪神御影駅すぐ近くの当院にて、地域の皆様がこれからも安心して健やかな毎日を過ごせるよう、お手伝いをさせていただきます。皆様のご来院を温かくお待ちしております。
谷尻医院(総合内科・生活習慣病外来・呼吸器内科)
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